ベンハムモンスター錯視

渡辺英治准教授とラナ・シナパヤ博士(Sony CSL)が共同制作をした錯視作品「ベンハムモンスター錯視(Monstre Benham Illusion)」が、日本基礎心理学会が主催する「第11回 錯視・錯聴コンテスト」で第2位に入賞しました。

Lana Sinapayen and Eiji Watanabe @ Kobe Univ., 2019

物理学者であるグスタフ・フェヒナーにより、白黒の円盤を回転させると、あたかも円盤に色がついているように知覚する現象が発見されました(1838年)。フェヒナーはこれが観察者による主観的に生じる現象であると考え「主観色」と名付けました。1895年、イギリスのおもちゃ製造業者であるチャールス・ベンハムは、現象を玩具に応用し、ベンハムの独楽を販売します。今ではベンハムの独楽は主観色の代名詞ともなっています。

今回発表した「ベンハムモンスター錯視(Monstre Benham Illusiion)」は、ベンハムの独楽を「パラパラ漫画」の一種と解釈しなおし、イラストを回転させることなく様々な主観色を表現することに成功しました。主観色が生じるメカニズムは全くの不明ですが、このような新しいツールを使って錯視の研究が進むことを期待しております。

ベンハムモンスター錯視のデモ:
https://www.sonycsl.co.jp/news/9164/

Citation:
DOI, https://doi.org/10.6084/m9.figshare.10046534
Eiji Watanabe and Lana Sinapayen, Monstre Benham Illusion, 2019

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